防振ゴムの固有振動数とは
固有振動数は物体に振動を与えた際に起こる振幅の周期によって決まります。また防振ゴムの固有振動数は変位量によって変化します。
防振ゴムをハンマーでたたくとこのような波形が出ます、山の数を時間で割るとこのゴムの固有振動数を求めることができます。
固有振動数は共振点とも呼ばれこの付近の周波数の振動を与えると共振して振動が増幅されてしまいます。
防振効果について
弊社の除振台NJ-4050の減衰率を測定した実際の試験をもとに解説したいと思います
この試験ではZ方向に1Hz~30Hzまでの揺れを段階的に与えて除振台の上につけている加速度センサーの値と、装置側についた加速度センサーの値を比べているのですが、装置側のセンサーで計測された加速度で両方の値を割ることで除振台の振動伝達率を測っています。
右側のグラフを見ると山の頂上の周波数が「5.4Hz」であることが分かります、これが除振台の固有振動数(共振点)であり、赤い線より上(振動伝達率が1以上)の周波数は共振し振動が大きくなっていることが分かります。
ではどこから除振効果が出始めるのかというと、青い線が振動伝達率1未満になった時です。赤い線と青い線が交わる点は固有振動数(共振点)の√2倍(1.41倍)です。これはグラフからも確認できます。(5.4Hz×1.41=7.61Hz)
※この測定は除振台の上に50kgの重りを置いて試験を行っています。冒頭でも書きましたが固有振動数(共振点)は防振ゴムの変位量によって変わります。除振台の上に30kgの対象物を乗せた時、防振性能が不十分である場合は重りなどで重量を増やすことで十分な効果が得られる可能性があります。